「…くちびる?」
「分かっとんやろ?」



チュウッ…



逢空がアタシの唇にかぶり付くかのようにキスをする。

初めてなんですけど!?
てか、長いッ!
長いんですけど!!

少しずつ位置を変えて、丁寧なキスをする。

「…ぅ」

アタシの歯列を割って、舌が入ってきた。
冷たいのか熱いのか、よく分からない舌の感触。

脚のつま先から、脳天にかけて、ピンクと紫の混じったような電流が、何度も何度も流れているような感じがした。

こそばゆいような気持ち良さ。
必死に耐えながら逢空を見ると、目が合った。
今まで見たことのない、男の顔。
下目使いでアタシを見ると、髪を撫でた。
キスが激しくなる。

今まで感じた事のない快感と、アタシの知らない逢空が怖くて、涙が滲んでくる。

止まらないキスと、ビリビリとした甘い電流。