「明日、ちゃんとパジャマを買ってこようね」

――本当にヨコシマな人間である。

 カズキには知る由もないが、こういう約束はワリにきっちり守る人物ではあるのでカズキは明日にはちゃんとパジャマにありつけることだろう。

 テレビを二人で眺めながら、かりそめながら『同居人』となった二人の団欒が訪れる。

 お互いが……お互いのことなどまるで知りもしないのだが。
 それでも、それぞれが違った理由ではあるがお互いの存在に感謝していた。

 自分の置かれた境遇から逃げたかった『カズキ』
 一人の生活に本当は寂しさを感じていた『トモカ』

引き寄せられるように出逢った『オカシナ二人』の生活が……こうして始まった。