オカシナふたり

 少年が自分の名前を知った手段に関して、トモカは素直に感心した。
 自分宛ての手紙を見られることが失礼だと感じるようなデリケートさは元より持ち合わせてはいない。

 むしろ、自分には出来ない知恵の回り方を見せた少年に対して一周りも年齢が上であろうトモカの方が尊敬の念を示すような有様だった。

 このとき自分が帰宅した時点から、少年の自分に対する態度がかなりの軟化を示していることをトモカは察した。