オカシナふたり

 『トモカ』は少年にどうやって自分の名前を知ったのかを尋ねた。

 昨夜はお互いに会話にならないまま少年は寝てしまったし、今朝も少年が起きる前に自分は外出してしまっていた。
 自己紹介もお互いに済ませていない間柄なのに、なぜか『読み方』は違ったとはいえ自分の名前を既に少年が知っていた理由がトモカには気になったのだ。
 ミジンコ並に悩みを持たない人間が何かを気にするとは……珍しいこともあったものである。

「え、あの……部屋にあった葉書にあった宛名を見て」

少年は自分がトモカの名前を知った理由を簡単に説明した。