ピピピピ……ピピピピ……ピピピピ……。

 一人の人物だけが眠る部屋の中、目覚まし時計の電子音だけが鳴り響く。
 閉じられたカーテンの隙間からはすでに朝陽と呼ぶには相応しくない少し高い位置から照りつける日差しが差し込んでいた。

 でも、そんな時間に目覚ましをセットしている。

 つまりはこの人、世間一般の人間が起床する時刻よりもかなり遅い時間に起きる生活が日常化しているのだ。