AM05:30


目覚ましの音が静かな部屋に響く。


いつもならここで目覚ましを一度止めてからもう一度布団へ潜るのだが今日はどうもそんな気分ではない。


私はゆっくりと体を起こしリビングへ向かう。


机の上には一通の置き手紙と朝食が用意されている。


柚凛へ
 今日は会議があるので先に家を出ます。 朝食は机の上に用意しておいたからそれ を食べて下さい。


可愛らしいイラストの入ったメモ帳に母の文字でそう書かれていた。


もう中学生なんだから…。


朝ごはんくらい自分で作れるのに…。


心の中でつぶやきながら用意されたご飯を口に運ぶ。


いつもより時間に余裕があるのでゆっくり支度をする。


私が制服に手をかけたのと同時にポケットの中の携帯が震え出す。


こんな早い時間に目覚ましなんて一体誰からだろう。


そんな小さな疑問を持ちながら携帯を開く。


To:柚凛

 今日久しぶりに二人で行かない??

From:龍薫


一行だけの短い文章。


龍薫からのメールはいつも絵文字も何もなくただ伝えたい事だけが書いてある。


…まぁその方が分かりやすいけど。


龍薫に合わせたって訳でもないけどないけど私も゛分かった゛の一言で済ませた。


返信したのと同時に携帯を置いて支度を再開した。