あの頃、窓のカーテンと一緒に閉じ込めたのはあたしの心だ。


見たくなかったんだ。

腐れ縁だった関係が壊れてしまうことも、それを望んでしまっている自分の心も。



ただの腐れ縁。

それが特別になるのが怖かった。


それなのに、弦に彼女が出来たとき、なんで言ってくれなかったんだとかそう言うんじゃなくて、

ただあたし以外の誰かが弦の特別になるのかと思ったら、平気でいられなかったんだ。


弦の特別はあたしじゃないとだなんて、自分勝手も甚だしい。


自分から閉めた心なのに、その心は弦を求めていた。


腐れ縁のラインを越えたくて、越えたくなくて。




長い間閉じ込めたはずの心が、今になってまた疼きだす。



それもこれも全部全部弦のせいだ。