「女の子がこんな時間に、ましてやこんな場所に居たら、危ないよ?」



...ごもっともなお意見で。



男の子は優しい口調で私に喋りかける。



「お家の人...心配してると思うよ?」



男の子は私の前にしゃがみ込み、私と視線を合わせた。



「...いない」




「....え?」





「家族なんて居ない」




私に家族なんて居ない。
今日捨ててきたから。



持って来たのは洋服に、下着に財布に携帯に、あと日常生活で必要な物。



パパやママが関連する思い出の物は全て置いて来た。