迷い猫




「いいよ、今日頑張ったご褒美」



頑張った、というのは私が外に出たことなのだろう。
きっとアオは、私が外に出るのを嫌っているのを知っている。



だけど、今日買い物に私を誘ったのは、きっと私を外に連れ出すキッカケをアオなりにつくってくれたんだと思う。



ほんと...アオに感謝しなきゃ。
あのままだったら私、一生外に出れなかったかもしれないし。



アオは私の背中を押してくれた。



外に出る勇気をくれた。



「あ、ついでに李桜のイチゴミルクも買っとかなきゃな」



そんな些細な言葉の1つ1つが、私を涙へ誘う。
アオがくれる言葉の1つ1つに、私は涙腺が崩壊しそうになる。



....まあ、こんな所で泣くわけにもいかないんだけど。



いつの間にかアオは、飲み物コーナーに行って私のいつも飲んでいるイチゴミルクを持ってきてくれた。



「ほら、その苺もかごに入れて」




「あ、うん」