「お待たせ、李桜」
数分経ってアオが部屋から出てきた。
いつも思うけど、アオはオシャレだ。
初めて逢った時もそうだったけど、高校生とは思えない位に大人っぽい。
「さ、行こっか」
「うん」
私は座っていたソファから立ち上がった。
「クロ、お留守番よろしくね」
クロを撫でると、私は玄関へ向かった。
スニーカを履いて、外に出た。
久々の外の空気。
何だか気持ちよかった。
マンションを出て、大通りの方まで歩くと、沢山の人で溢れ返っていた。
学校帰りと思われる学生も居れば、仕事で走り回っている人もいる。
やっぱり人が多いところは苦手なのかもしれない。

