「李桜」
今まで黙って話を聞いていたアオが、ふと私の名前を呼んだかと思うと...
ぎゅっ...
そっと私はアオに抱きしめられた。
「....アオ?」
「寂しかったでしょ、李桜」
優しくそれでも、強く抱きしめられた。
アオの温もりが私に伝わってくる。
...嗚呼、人間ってこんなにも温かいんだね。
氷のように冷め切ってしまっていた、私をアオの温もりが溶かしてくれるような気さえした。
「これからは、俺が一緒に居るから」
「....ふぅっ..ん」
アオの言葉に。
アオの仕草に。
アオの優しさに。
アオの温もりに。
私は涙を堪えきれなくなった。
ボロボロと大粒の涙を流す私を、アオはずっと抱きしめていてくれた。