迷い猫



やっぱりニコニコ微笑む彼は
どこか寂しそうだった。



「名前...」



「えっと、俺?」



コクンと頷くと



「俺は蒼だよ」


と教えてくれた。



「あ...アオ?」



少し恥ずかしかったけど
そっと小さな声で呟いてみた。



「ん? 何? 李桜」


アオは私の頭を
撫でてくれた。



アオの手はやっぱり落ち着く。