因みにこの教室で席から立ち上がってない女子は…あたしだけ。


あの瞳でさえも坂井君に興味津々で何だか構ってくれないし。


ちょっとだけ坂井君ってあたし的に悪魔だなぁ。


…って、いやいやいや!!そんなこと言っちゃダメでしょ?あたし!!


心中で呟いて心中でつっこんでいる自分にも溜め息。


何が悪いのかは分からないけど、あんまりいい気分でもなかった。



もう一度隣を見てみても先程と変わらない景色。



『恋ってのは時に儚いものなのね…』



独りぼっちだっていうことに気分を作ってそんなことを呟いてみるも、誰も気付いてくれないし……。


チャイム鳴るまで落ち着こうと、机に突っ伏せた。