さっきよりも近づいてしまった香水女と俺。

離れることを諦めた俺は、今度は気を紛らわそうとケータイを取り出してみる。


もしかしたら吉高からなんか連絡あるかも、なんて考えは消え去り。

着信はおろか、新着メールすらもきていないかった。



「うわー可哀想。あの子痴漢にあってるよ」


ふと、耳に入ってきた誰かの声に振り返る。

たくさんの視線があつまるソコに目を向けると、サラリーマンらしき男に痴漢をされている女の子の後ろ姿が見えた。