『…あ、の』 授業が始まったからか、人のいない静かな屋上。 衝動で動いてしまい、喋りかける言葉を探していた俺。 そんなときに口を開いたのは彼女の方だった。 「ん?」 とりあえず続きを促してみる。 『痴漢から、助けてくださった方ですよね?』 「え、まあ」 何だ、コレ。 喋り方が俺じゃないみたいで。 好きな子の前だとこんなに変わるもんなのか?