と思ってたのに。


「あ~もう、うっせ」


耳元で鳴り響くケータイの着信音で目が覚め。

卒業式の翌日。つまり今日は春休み1日目。



少し寝ぼけながら、ディスプレイを見ると吉高の文字が映る。


「もしもし?」


『チハヤ?今おれ新宿にいるんだけどさー』


新宿かよ。勝手に遊んでろよ。親友なら俺の睡眠奪うなよ。

そんな八つ当たりが喉まで出掛かったが、なんとかこらえ。


「で?」

用件を聞こうとつづきをうながしたが、なぜか吉高は黙ってしまった。