「そう、ですか。卒業おめでとうございますっ!」

 

お祝いの言葉をも残していく彼女は、きっと優しい子なんだろうとは思う。



彼女の走る後ろ姿を見つめながら、そういえば名前も知らなかったな、と思い出す俺は最低なヤツで。


だから逆に、なんで俺なんかを好きになってくれたんだろうと不思議になる。


その結果、最近の女は意味不明だというなんの答えにもなっていない自己解釈に終わった。


それにしても、疲れた。卒業式って無駄に長い。


明日から春休みだし、思う存分寝よ。