☆甘い体温・短編集☆


そう思ったら今更ながらに震えが込み上げてきた。


目頭が熱くなり、私はたまらずお腹の赤ちゃんに手を当てた。



「もし、そんなことになってたら、俺は確実にあの男の息の根を止めてたよ」


「陽……」


「二度と起き上がれなくなるように、俺はあいつの首に手をかけてかもしれない」



その、苦しそうな声に涙が滲む。


陽生のやり切れない、私への思いがとても真剣に伝わってくるようで。

私は心臓が鷲掴みされそうな思いに、思わず瞳を伏せた。




「果歩、これだけは約束してくれないか?」



思いあまり、陽生の髪の毛に触れようとしたら、何かを思い切る様子で陽生が顔を上げた。



「この先、もしまた似たような状況に遭遇したら絶対に一人で行動をしないでほしい。考える前に真っ先に俺に電話しろ。ちゃんと俺に頼ってほしい」


「えっ」


「もう嫌なんだ。果歩が俺の知らないところで俺の知らない男と……、なんて。考えただけでも吐きそうだ。気がおかしくなりそうなんだよ」


「陽……」