その直後陽生が苦しそうに顔を歪めて、私の肩に顔を埋める。
「……果歩を誰にも触れさせたくない」
「えっ……」
「さっき、あの男に迫られてる果歩を見て一気に頭に血が上った。どうしようもなくあの男に嫉妬した。……ごめん、怖かったよな?」
陽生の吐息が首筋にかかり、私は瞬きを繰り返す。
「それに……、あの男が以前親父達と手を組んで俺達をはめようとした男だって分かった瞬間、あの時神崎ミサから携帯に送られてきた写メを思いだして、尚更怒りが増した。
もし…、あの時、あの男が果歩を無理矢理ホテルの部屋に連れ込んで、そして力ずくでお前に何かしようとしていたら……
そう思っただけでゾッとする」
苦しそうに吐きだした陽生に私はあっと、声も出すこともできなかった。
だって……、そうだ。
あの時は運よくキス未遂だけで済んだけど。
もし宮川が本気で私をホテルに連れ込み、そして強引にベッドに押さえ付けていたとしたら……
きっと私は今ここにはいない。
お腹の赤ちゃんだってダメになってたかもしれないし。
私は人生のどん底に突き落とされてたかもしれないんだ。



