☆甘い体温・短編集☆


「もし、これ以上果歩に近づこうなら覚悟しとけよ。俺はもう容赦はしない。お前が大事にしてる会社も、お前のこの先の人生も全て、なにもかも俺が全力で潰してやる!」


「―――」



宮川が息を飲むのが分かった。


そして私も……


真っ直ぐ突き刺すような怖さに息をするのを忘れ、思わず時が止まるほど。


そのまま……、何とも言えない静寂に包まれると、突然宮川がふっと目を伏せるのが分かった。


そして、何かを諦めたようにゆっくり息を吐くと、小さく覇気のない声でこう呟いたのだ。



「…分かった……」



思わず顔を上げると、完全に降参だというような宮川と目が合った。



「……約束する。もう果歩ちゃんには近づかないよ。俺も自分の人生をここで台無しにしたくはないからね」



肩をすくめ、呆れたように陽生へと視線を流す。



「……けど、本当容赦ねぇなぁ。さすがあの椎名和幸の息子だけあるよ。どんなに好青年ぶっててもあの冷血な社長と血は争えないってか」


「なんだと……?」


「果歩ちゃんもとんでもない奴に惚れられたもんだね。正直先が思いやられるっていうか……。まぁ、でも2人はお似合いだよ。正直悔しいぐらいにね」