「もし、これ以上果歩に近づこうなら覚悟しとけよ。俺はもう容赦はしない。お前が大事にしてる会社も、お前のこの先の人生も全て、なにもかも俺が全力で潰してやる!」
「―――」
宮川が息を飲むのが分かった。
そして私も……
真っ直ぐ突き刺すような怖さに息をするのを忘れ、思わず時が止まるほど。
そのまま……、何とも言えない静寂に包まれると、突然宮川がふっと目を伏せるのが分かった。
そして、何かを諦めたようにゆっくり息を吐くと、小さく覇気のない声でこう呟いたのだ。
「…分かった……」
思わず顔を上げると、完全に降参だというような宮川と目が合った。
「……約束する。もう果歩ちゃんには近づかないよ。俺も自分の人生をここで台無しにしたくはないからね」
肩をすくめ、呆れたように陽生へと視線を流す。
「……けど、本当容赦ねぇなぁ。さすがあの椎名和幸の息子だけあるよ。どんなに好青年ぶっててもあの冷血な社長と血は争えないってか」
「なんだと……?」
「果歩ちゃんもとんでもない奴に惚れられたもんだね。正直先が思いやられるっていうか……。まぁ、でも2人はお似合いだよ。正直悔しいぐらいにね」



