「なるほど……、噂通りのいい男だな。いや、それ以上か。ずいぶんと頼もしいナイト振りだな」
「なんだって?」
「うぐっ……」
陽生が怖いぐらいの無表情で宮川を締め上げる。
もはや、宮川恭介に抵抗する余地もなく。
宮川が一言でもじゃべろうとするたび、それは強くなっていくように見えて……、見かねた私は慌てて陽生の腕を掴んだ。
「陽……っ」
だって……、ふと気付くと周りの視線が突き刺さって……痛い。
何事かと足を止めてそんな私達の光景を見てる人までいる。
これにはさすがにマズイ気がして……
「ちょっと2人とも落ち着いてよ!」
掴んだ陽生の腕を強く引っ張る。
「こんな所で騒ぎ立ててどうするのよ!私は別に何もされてない。大丈夫だから、少し冷静になってよ」
見ると、少し離れた所から血相を変えて走ってくる男の人が見える。
その人はまっすぐこちらに向かってきたと思ったら、陽生の腕を慌てて掴み、焦った声を上げた。
「ちょっと、何やってるんですか!?何事ですか!?」
勢いよく手が引っ張られ、陽生の腕が咄嗟に緩む。
その直後、宮川の体が椅子に崩れ落ち、目の前の男が慌てて駆け寄り体を支えようとする光景を見つめながら、私もハラハラと生きた心地を失っていく。



