「あ……」
肩を抱き寄せられた私は、ドキリと顔を上げた。
するとそこには案の定、片手に缶ジュースを持った陽生が、体制を崩した宮川恭介を真っ直ぐ睨んでいた。
「ってぇ……」
「こんな公衆の面前で堂々とナンパか?いい度胸してんじゃねーか」
ぎゅっと体を抱きすくめられる。
冷静に、だけど鋭く定められた視線は思わずゾクリとするほど怖く冷やかなもので、ハッと息を飲むほどだった。
「はっ、まじ?なんだよ……、旦那と一緒かよ。だったら先にそれを言おうよ。果歩ちゃんも人が悪いなぁ」
「……だから、早く消えてって言ったじゃない」
思わず陽生の体にしがみ付く。
第一私は一言も一人だなんて言ってない。
この男が勝手に勘違いして、舞い上がってただけだ。
「ああ、そう。俺が勝手に勘違いしてたわけね。ふ~ん、仲良く夫婦でお買い物ってわけですか……」
体制を戻し、そんな私達に目を向けた宮川恭介が途端罰が悪そうな声を出す。
だけど、そんな宮川の焦りを煽るように、陽生の手がに勢いよく彼の胸ぐらを掴み、そして驚くような声で顔を近づけた。



