「いいからもうどっかに消えてよ!」
私は宮川恭介の体をあからさまに押して立ち上がった。
このままじゃ…、陽生だって戻って来ちゃうのに。
こんな所で鉢合わせなんかしたら、それこそ余計ややこしいことになるに決まってる。
だけど…
「待って!」
その瞬間素早く手を掴まれて、私は動きを封じられてしまう。
「頼むから送らせてよ。ちゃんと謝りたいんだ。それにこの荷物も一人で持って帰るのも大変だろ。だからせめて今回だけは送らせてくれないか」
目の前で宮川恭介の真剣な瞳が真っ直ぐに向けられる。
ああ、もう!
本当にどうしたら……
たまらず掴まれた手をぶんぶんと振りほどこうと試みる。
だけど、そんな抵抗は宮川の前ではびくともしない。
そして……、そのままさらに手をぎゅっと握られた瞬間、突然横から聞き慣れた低い声がした。
「その必要はない」
直後、手の上でパシリと強い衝撃を受け、掴まれていた手が一気に緩む。
目の前の宮川恭介の手が思いっきり私から突き飛ばされ、その体が勢いよくよろけていく光景が飛び込んでくる。



