念願の高校をやっと卒業できたからかな?
はたまた、また一歩大人に近づけたからなのか。
とにかくそんな今までの思いを解放するように、私はグラス片手に陽生の肩にコトンと頭を落としていた。
「私ね。本当はずっとOLに憧れてたんだぁ」
OLって言うより、大人の女性に。
実は秘かに思っていたことだった。
一人、取り残された家でテレビを見ながら思ってた。
あんなふうに男の人と混じって、堂々と格好よく働けるなんてすごいなって。
「早く二十歳になって、大人の仲間入りして、あの家から一日も早く出たかったの」
「……大人の仲間入り?」
「うん。自分でお金稼いで何でもやって、私は一人でも十分生きていけるんだって事を確かめたかったんだと思う」
そして見返してやりたかった。
私を捨てた母親に。
周りの身勝手な大人達に。



