しかもお父さん、ミサさん達と協力をして私をはめようとした人物だ。
私に一目ぼれをしたとか言い、弱ってる私にキスしようとして、おまけにお父さんがもう長くないだなんて嘘までついて……
今思い返しても虫唾がはしる。
そんな過去が甦った今、当たり前の様にふつふつと怒りが込み上げてしまう。
「今一人?買い物に来たの?」
「何か用ですか?」
警戒するように、鋭く睨みつけると彼、宮川恭介は特に表情を変えることなく私を上から見下ろした。
そして何かに気付いた様にマジマジと私を見つめてくる。
「そういえば、果歩ちゃん結婚したんだってね」
「だったらなんですか?」
「いや、あれから彼と上手くいったっていうのはすぐに小耳に挟んではいたけど、まさか……、もう子供まで居るとはね」
そう言って少し意外そうな顔をした宮川恭介が、私のお腹に視線を向けながら一人で納得するようにフムフムと頷いている。
その表情はなぜだか面白いものを見るような、そんなうっとおしいもので
「なかなか上手いことやったね。しかもあの氷のような冷血な椎名社長をあっさり負かしちゃうなんて、いったいどんな手をつかったの?
……ああ、それともあの社長も自分の孫のことになると、案外甘くなるタイプとか?」
そんなセリフに思わず顔が歪む。



