「悪い、疲れたよな。少し待ってて」
そんな私の様子を見た陽生が労わるように休憩場に備えられた椅子に座らせてくれる。
そして飲み物を買ってくるからと、私の頭を撫でたあと自販機の方へと少し早足で歩いて行った。
「ふぅ〜」
その瞬間体から力が抜ける。
久しぶりに長い時間歩いたせいか、足がパンパンにむくれてる。
ただでさえこのお腹だし、体力の消費が妊娠前に比べてかなりのものなんだよね。
思った以上に妊婦生活は大変だ。
そんなことを思いながら、とりあえず買いたいものは買えたし満足だ。なんてモミモミとむくんだ足をゆっくり揉んでいると
「――あれ、果歩ちゃん?」
ふいに声をかけられて、私は顔を上げた。
すると、そこには
「やっぱり果歩ちゃんだ」
ーー…え?
ビシッと、上下紺色のスーツ姿できめた男の人が、何故か真っ直ぐこっちに向かって歩いてくるのが分かる。



