「はる……」
「ん?」
「ありが……と」
それでも泣きながら顔を少しだけ上げると、すぐに陽生が優しく笑ってくれた。
相変わらず涙は流れっぱなしだったけれど。
陽生の親指が当たり前のようにそれを拭ってくれたから、すぐに素直な言葉が口から溢れていた。
「大好き」
両腕を陽生の背中に回し、甘えるように抱きついた。
「って、静香さんに言っといて」
「おい、そっちかよ」
って、すぐに突っ込みを入れた陽生が可愛くて、さらにぎゅーっと強くひっついた。
もう、この感情をどう表わしたらいいのか分からない。
「おめでとう」とか、「頑張ったね」とか、こんなに嬉しい言葉だったなんて知らなかった。
誰かに自分の努力を認めてもらえるのって、こんなにこんなに嬉しいことなんだ。
この年になってそれを初めて知ったよ。



