☆甘い体温・短編集☆


そこには見覚えのない腕時計があったから。


勢いよく上半身ベッドから起きあがって見ると、それはとても深みのある赤色の可愛い腕時計。


いつの間にか綺麗に巻かれていたそれは、私でもよく知ってるとても有名なもので、



「えっ?うそ、これ……」


「あ~そうだ。もう一つ忘れてた。確かこれもって頼まれてたんだよなぁ。ほれ、果歩手出してみ」



陽生が言葉を遮り、少し強引に私の手を掴む。



「えっ……」


「これは静香からな。本当は直接渡したかったみたいだけど、どうしても都合がつかなくてさ。お前によろしくって言ってたぞ」



手渡されたのはちょうど手の平サイズの正方形の白い箱。


包装の赤いリボンの隙間には、小さなメッセージカードなんかも挟まれていて…



あ……


それを見た瞬間、一瞬にして目の前の文字がぼやけて見えた。