そこには見覚えのない腕時計があったから。
勢いよく上半身ベッドから起きあがって見ると、それはとても深みのある赤色の可愛い腕時計。
いつの間にか綺麗に巻かれていたそれは、私でもよく知ってるとても有名なもので、
「えっ?うそ、これ……」
「あ~そうだ。もう一つ忘れてた。確かこれもって頼まれてたんだよなぁ。ほれ、果歩手出してみ」
陽生が言葉を遮り、少し強引に私の手を掴む。
「えっ……」
「これは静香からな。本当は直接渡したかったみたいだけど、どうしても都合がつかなくてさ。お前によろしくって言ってたぞ」
手渡されたのはちょうど手の平サイズの正方形の白い箱。
包装の赤いリボンの隙間には、小さなメッセージカードなんかも挟まれていて…
あ……
それを見た瞬間、一瞬にして目の前の文字がぼやけて見えた。



