「少しは大人な気分は味わえたか?」
「えっ?」
「憧れてたんだろ?大人の女性に」
耳元をくすぐる声に、私は瞳を大きくする。
思わず窓越しで目が合うと、陽生が楽しそうな表情で私の手首に触れた。
そして指先で私の指を一本一本なぞり始めると
「ふっ。まだまだ何も知らないっていう手だな」
「えっ…」
「小さくて真っ白で、大人とは程遠いお子ちゃまな可愛らしい手」
クスッと笑った陽生がそのまま私の手をぎゅっと握る。
「でも俺は好きだけどなぁ。不器用で、この精一杯必死になって生きてる感じがたまらなく好きだよ」
「………」
「手だけじゃない。お前のこの危なっかしい性格も、この体も何もかもさ。俺は一生懸命ですごく好きだけどな」
「陽……」



