☆甘い体温・短編集☆


ただ、胸が苦しくて、


目の前の陽生を見つめることしか……



「何だよ…そんな顔して、ひょっとして嬉しくなかった?」



何も言えず、固まったままの私に陽生が首を傾ける。


私は首を横に振るのがやっとだった。


だって、少しでも声に出そうとすると、一緒に涙まで零れてしまいそうで……



「……果歩?」


「…っ……」



私は陽生から視線を逸らし、もう一度窓の方へと体を向けた。


部屋全体に降り注ぐ光がとても気持ち良くて。


胸一杯に深呼吸をすると、突然後ろから大きな手にギュッと抱きしめられた。