☆甘い体温・短編集☆


18歳の春休み。


いろいろあったけど何とか無事に卒業できた高校生活。



「果歩、卒業おめでとう。お祝いに何が欲しい?」



そんな陽生の言葉に、産まれて初めて大人のバーに連れて行ってもらった。


二十歳まで待ちきれなくて、どうしてもという私のお願いで。



「はは。でも本当果歩は欲がねーな。せっかくの記念にこんなバーって……、もっとこう沖縄に行きたい、とか、海外に行きたいとかないわけ?」


「ううん。ここでいいの。だってずっとこういう所に来てみたかったんだもん」



実はひそかに憧れだったんだよね。


ちょっと大人っぽく着飾って、こういうカウンターに座わること。


一度はしてみたかったナンバー1の行動なんだ。




「こんな店で悪かったっすね。先輩……」



目の前には陽生の高校時代の後輩さん。


そしてここのオーナーでもある牧さんは、まさに私が描いてた通りのヒゲの似合うバーテンだった。