18歳の春休み。
いろいろあったけど何とか無事に卒業できた高校生活。
「果歩、卒業おめでとう。お祝いに何が欲しい?」
そんな陽生の言葉に、産まれて初めて大人のバーに連れて行ってもらった。
二十歳まで待ちきれなくて、どうしてもという私のお願いで。
「はは。でも本当果歩は欲がねーな。せっかくの記念にこんなバーって……、もっとこう沖縄に行きたい、とか、海外に行きたいとかないわけ?」
「ううん。ここでいいの。だってずっとこういう所に来てみたかったんだもん」
実はひそかに憧れだったんだよね。
ちょっと大人っぽく着飾って、こういうカウンターに座わること。
一度はしてみたかったナンバー1の行動なんだ。
「こんな店で悪かったっすね。先輩……」
目の前には陽生の高校時代の後輩さん。
そしてここのオーナーでもある牧さんは、まさに私が描いてた通りのヒゲの似合うバーテンだった。



