「俺の用意したバッドエンド、 気に入ってくれた?」 あの時よりずっと増した大人な雰囲気に私は意味もなく気圧される。 「バッドエンド…?」 「心中」 「ん……」 そしてまた重ねられた唇におかしくなりそうになる。 「トーマ……待って」 「さっきはもう少しって言ったくせに」 「ごまかさないで」 「焦らすなよ」 「焦らしてなんか……」 「もう何年も俺は君一筋だったんだ。キスくらいさせろ」