引っ込み思案な恋心。-2nd


―――――
――










期末テスト前日の放課後。





今日行われた勉強会には結局、拓は姿を見せなかった。






「あ〜、一区切りついたし、とりあえずここで解散する?時間的にもそろそろ帰らないと…」






あゆが伸びをしながらそう提案すると、ななっぺもうなずいた。






「そうだね。けど…学校で勉強会すると、あんまりリラックスできないよね。まあ2組の教室借りられて、図書室じゃなかっただけマシかなぁ」






ななっぺの言う通り、結局拓の家は借りられなくて、私と映美佳とあゆで担任の先生に教室を貸してくれと頼み込んで、やっと場所を確保することが出来た。






拓以外のいつものメンバーで机をくっつけて、私は誰かから呼ばれたら、その度に席を移動。






お菓子やジュースも持ち込めないし、いつもに比べたら確かに疲れたかも。。。






私も腕を伸ばしてから筆記用具を片付け始めていたら、いきなり携帯のバイブの音が聞こえた。






「…あっ、ごめん。私だ。………もしもし?」






その携帯の持ち主の映美佳が携帯に出て、小声で話し始めた。






するとあかねちゃんが倉本くんの方を見た。






「てっきり私、倉本のケータイだと思った〜。でもさぁ、意外とマジメに勉強してたじゃん。やればできるのに、なんでやんないかな〜?」



「いちいちうっせーなぁ、馬場は。俺だって多田に言われたことぐらい守るっつーの。ケータイ切ってるし」



「へぇ〜〜〜。ホントにマジメだ。どしたの、急に?」



「つっかかってくんじゃねーよ」






そうあかねちゃんに言い捨てた倉本くんは、机を元の位置に移動して、自分の荷物を片付け始めた。