あかねちゃんがそう言うと、ななっぺは「うんうん」と数回うなずいた。
「それはもちろん。とにかく3組のうちらで協力して、柚に真実を早く教えてあげよう?」
「そーだね。柚…、辛いだろーけど頑張って。テスト勉強に影響ないように……こっちも調べてるトコだから」
「ありがとう…。ななっぺ、あかねちゃん」
ななっぺもあかねちゃんも、拓と話してはいるみたいだけど…、肝心の松沢さんとのことは拓もあまり話したがらないみたいだった。
とりあえず、拓は松沢さんのことを何とも思ってないことだけは確からしいと言っていたけど…。
でもどうしてあの日、松沢さんと帰っていってしまったのか……
それすらまだ分からないみたいだった。
今日はあかねちゃんと映美佳と一緒に帰ったけど、拓の話は二人とも気を遣ってくれてるのか全然しなかった。
とにかく……、私に出来ることをするしかない。
当面は期末テストの勉強。
拓は勉強会に参加しないけど、みんなに勉強を教えることに手を抜くわけにはいかない。
帰ったらとりあえず、社会の範囲を確認して、暗記するべき用語や人物、年号をリストアップしなきゃ…。
何をしてても拓のことが、グルグル頭の中を回る。
不安はやっぱり尽きることを知らない。
だけど…拓を無理矢理頭の端っこに追いやって、私はテスト勉強に向けて頭を切り替えた。
――
―――――

