その声に反応したあゆは、嬉しそうな声で相手に話し掛け始めた。





「ミワちゃん?マジで2組?」



「そうだよ。他にマナミや久保田さんもいるよ♪」



「うそ?女子バスめちゃ多いじゃん。すごいすごい!」



「男子も岩本とか西田とかいるし、2組はバスケ部多いよ。これでスポーツモノのイベントはもらったも同然だね」



「マジで?こんなバスケ部固めて、逆に大丈夫なの?」






あゆに『ミワちゃん』と呼ばれたその女の子は、どうやらあゆと同じバスケ部に所属しているらしい。





あっという間に二人でバスケ部関係の話になってしまい、会話に割って入ることができなくなってしまった私は静かに自分の席へと向かった。








やっぱり、あかねちゃんの言う通りだったかも。






あゆは明るくてしっかりしてるし、部活や学級委員の関係で交友関係が広いことぐらいは知ってたけど…






もし、あゆがバスケ部の子達と一緒のグループで仲良くしちゃったら…どうしよう?





あゆがそのグループに私を誘ってくれたら嬉しいけど、あゆ以外は知らない人ばかりだし、仲良くなれるのかな?





…ひょっとして、あゆじゃなくて他のグループに入れてもらった方がいい?





でもやっぱり自分からじゃ言いにくいかも。





顔だけ知ってても、そんなに仲良くない子に自分からとか無理だよ…。





どんな顔されるか分かんないし。








……また、一人に戻った方がいいのかな?








ポツリと頭の中にそんな考えがよぎって、急に怖くなってきた。






私は自分の席にゆっくり腰かけて、すでに仲良さそうに3、4人で固まって話している女子のグループを何組か見比べながら、深いため息をついた。






ああ、やっぱり新学期のこの雰囲気、好きになれない。







そんな時。





「やっぱココにいた。私の存在、忘れてたでしょ?」



「…え?」