引っ込み思案な恋心。-2nd






「あっ、杉田。実行委員お疲れー」






みんながさっきの合唱の反省を色々述べている中、今度は指揮役の男子が私に気付いてこっちに近付いてきた。






「うん。みんなも…練習お疲れ様」



「準備終わって一息つきたいトコ悪いんだけど、杉田もあの中に入ってくんない?杉田も入って2組の合唱だし、最終確認したいから」



「うん」






な、、、何か今、スゴイこと言われちゃったかも。






『杉田も入って2組の合唱』???






私一人の声なんて多くの歌声に交じってしまえばかき消されてしまうと思うんだけど…





それでも彼が、私を2組の一員だって認めてくれているところが嬉しかった。






アナウンスももちろんそうだけど…





『2組の一員』として、合唱も成功させよう。






なんか…、素直にそう思えた。










「あ、柚!お帰り〜。一緒に練習しよ?」



「映美佳…!」






私も台本などを自分の机に置いて、合唱での自分の立ち位置に入ると、同じソプラノパートで歌っている映美佳が笑顔で迎えてくれた。






友達にも、あまり話したことのない人にも。





私の存在が認められていることを実感した。






1年の時、クラスに友達がいなかった頃は、私の名前すら知らないクラスメイトもたくさんいたのに…






大変なことも、苦しんだこともたくさんあった。






けど友達が増えて、みんなにこうやって認められて…、中学校生活が楽しいと思えるようになった気がする。








プチ反省会を終え、みんながまた静かになる。






指揮の男子が両手を挙げるのを確認して、私は大きく息を吸った。






そして…




その手が振り下ろされると同時に、ソプラノの歌声をみんなに重ねた。













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