引っ込み思案な恋心。-2nd






「いい感じじゃん、柚。今の調子!」



「ちょっと緊張したけど…、いける気がしてきた…!」



「今の柚なら大丈夫!名アナウンサーになりきっちゃえ」



「ななっぺ…、それは言い過ぎだよ……」






横からななっぺが嬉しそうに励ましてくれた。






言葉はちょっとオーバーな気がしたけど、確かに今ので少しだけ自信が沸いてきたかも……!








「開会宣言。合唱コンクール実行委員代表、2年4組蘇我麻美さん」



「はい!」






私がマイクを通してそう言うと、ななっぺの横に座っていた蘇我さんが大きな声で返事をしてパイプ椅子から立ち上がった。






そして背筋を伸ばしてサッサッと歩き、そのままステージへ上っていった。






…すっ、すごい。





当たり前なんだけど…





私のアナウンスで人が動いてる。






私の声で誰かが、みんなが動くことに感動して……





そして同時に、まさに私がこの行事の全てを担っているんだと実感した。






…私の声に、明日の全てがかかってる。










「うん!だいたい良かったね。細井さんの動きもオッケーだし、明日もみんな今日の通りにやればいいから。明日、成功させましょう!」






約1時間後、やっと先生から合格点を与えられ、リハーサルは終了した。






周りを見てみると、保護者用のパイプ椅子もすでに並べ終わったみたいだった。