引っ込み思案な恋心。-2nd






「杉田さーん!最初から!!杉田さんのタイミングでいいから!」






ステージの先生の声が聞こえてきて、私は小さくうなずき、今度はマイクの側面を確認しながらマイクのスイッチを入れた。






静かに深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。






…大丈夫。





ななっぺが横にいるし…、それに今日は、制服の胸ポケットに拓からもらったブレスレットを持ってきた。






周りの人の存在は、とりあえず忘れよう。






私は周りの人を消すように、もう一度台本を立てて持った。






絶対上手くいく。





…というか上手く行かせる。








「本日はご来場頂き、ありがとうございます。平成○○年度合唱コンクール2年生の部を始めるにあたり、保護者の皆様にお願いがあります。生徒の演奏の妨げと周囲の保護者へのご迷惑となりますので、お手持ちの携帯電話は電源をオフにして頂くかマナーモードにして頂き………」






気持ちを落ち着かせたら、すごくスムーズに言葉が出てきた。






自分でも驚くぐらい……





2回目は全く噛まなかった。








「はーい。杉田さん、オッケー!このまま進行しよう。開会宣言の時は蘇我さんもここまで来て実際に言ってね。じゃあ杉田さんのタイミングで次読んでー」






ステージから先生の声が聞こえてきて、私は一旦マイクのスイッチを切ってふうっと息を吐いた。