引っ込み思案な恋心。-2nd






更に緊張してきたんだけど…





さすがにあんまり先生を待たせるわけにはいかない。






そう思って私は大きく息を吸い、台本を自分の前に立てるように持った。






「ほっ、本日はご来場いたっ…、頂き……ありがとうございます」






マイクを通して体育館中に広がった自分の声を聞いて、驚いてしまった。






こんなに反響するんだ…。






一言しか話してないのに声が裏返り、噛みまくってしまった。






「あっ、ちょっと杉田さんストップー!」






まだ続きの文章を読もうとしていたら、ステージから先生の大声が聞こえてきた。






…やっぱこれじゃダメだよね。。。





自分で分かっちゃったもん。






「あっ、すみませんっ!………ってあれ?スイッチは……?」






先生に謝りながらマイクのスイッチを切ろうとしたんだけど、手の感触でスイッチの位置が分からなくてあたふたしてたら、そんな声までマイクを通して筒抜けになってしまった。






ヤバっ!



保護者用の椅子を並べていた人達にこっち見られたし…!






「落ち着いて、柚!」






…というななっぺの小声が横から聞こえてきた。





と、同時にななっぺがマイクのスイッチを切ってくれた。






「あ…、切れた。ありがとう、ななっぺ」



「これは練習だから。軽い気持ちで言ってみなよ」



「うん…、分かってるんだけど……」






周りの視線が怖い。






今更だけど、何でこんな仕事引き受けたんだろう…という後悔が押し寄せてきた。






今になってそんなことを言ってる場合じゃないことも分かってるんだけど…。