引っ込み思案な恋心。-2nd






先生から台本のプリントを受け取って、それまで自分の座っていた席に戻ると、隣に座っていたななっぺに背中を叩かれた。






「台本だー!やっともらえたんだ?」



「あ、うん。これ見ると本番近付いた感じがしてきたよ」



「…言っとくけど、台本見ながらアナウンスできるから、覚えなくて大丈夫だからね」



「それ……、先生にも言われたよ」



「ははは。ごめんごめん。二回も言うなって感じか」



「合唱コンクール終わったらすぐに学年末テストのテスト期間に入るから、勉強の方も暗記そろそろ始めたいし、それ以前に課題曲と自由曲の歌詞も曖昧だし…、覚えることたくさんあるから台本までさすがに手が回らないよ」



「歌詞うろ覚えなの?柚にしては珍しいね」



「クラスの練習、あんまり参加できなくて……」



「確かに!何で他の学年の合唱コンクールの雑用までって感じだよね。まあうちらも手伝ってもらうから文句言えないけど」






するとななっぺが不意に入口の方に顔を向けて、それから私に笑顔で向き直った。






「あかねちゃん来てる!行こうよ、柚」



「え?あかねちゃん???」






何であかねちゃんがこんな時間にこんな所まで???






ふとそんなことを思ったけど、ななっぺに促されて、私は慌てて台本と今日もらった資料をカバンに詰め込んだ。