引っ込み思案な恋心。-2nd






「…柚、顔真っ赤」



「小声で言わないでよ!」






しかも小声のまま拓がからかってくるもんだから、私は思わず拓を見上げて声を上げた。





すると、静かに笑う拓の顔が目に映った。






「わりいわりい。こうやって柚に触れてるだけでも嬉しいハズなのにな。俺は常に進化を求めてるから」



「…何言ってるの?」



「現状維持じゃ満足しねえってコト?」



「…もう」






確かに…、夏休みに抱きしめることを許してから、もうかなり経つけど……





それ以上はやっぱりまだ怖いと思う。






いつもの拓の明るい顔じゃない、真剣な顔も緊張しちゃうし、これ以上近付かれたら、自分がどうなってしまうのか分からなくて……、不安になってしまう。






もしかしたら、私達より後に付き合い始めたななっぺやあかねちゃんの方が、先に進んじゃったかもしれない。






でも……私は私だし。






「じゃあ…、今日はこれで我慢すっかな」



「え?」






やっと拓の顔が私の身体から少し離れた…





と思ったら、私の左頬に柔らかい感触を感じた。






それが拓からのキスだと気付くまで、何秒かかっただろう。






拓の唇が触れた頬から、顔中に熱い何かが回っていく。





胸のドキドキも……、一気に高まってしまった。






きっと更に赤くなってしまったと思う私の顔を見つめながら、拓はまたイタズラな笑顔になった。