「今から緊張すんなよ。俺ずっと…、柚のコト応援してるから」
「拓…?」
拓の身体が、私を優しく包み込む。
夏休み辺りから急激な成長が始まった拓の身体は、今では私との身長差が15センチ近くになってしまった。
そんな大きな拓の身体に、私がすっぽりとおさまってしまった。
「ごめん、俺…、こーゆーコトしかできないから。でも…一人で頑張るとか、そんなこと思うなよ」
「うん…」
拓の身体が、あたたかい。
そのあたたかさに…、私の不安も溶けていくような気がした。
「……あのさ」
「え?」
そのまま少しだけ沈黙が流れたと思ったら、急に拓の声が聞こえてきた。
でも…、さっきと声の感じが違うような。
何か声が小さくなった気がする…
なんて思っていたら、耳元でささやくような拓の声がまた聞こえてきた。
「そろそろ心の準備できた?」
………えっ!?
拓ってば!
こんな時に何言ってるの!?
抱きしめられることに抵抗なくなってきたからって…。
やっぱり私はこの手の空気になると、恥ずかしくなって緊張してしまう。
…ということは、まだ心の準備はできていないということだと思うんだけど。。。

