―――――
――
「それじゃあ、記念すべき第1回、合唱コンクール実行委員の会合を始めます」
それからまた何日か経ったある日の放課後。
私は視聴覚室で行われている、合唱コンクール実行委員の集まりに参加していた。
この集まりを取り仕切るのは、主に2年生担当の音楽の先生。
そして私の隣に座るのは、無事に(?)3組の実行委員になったななっぺ。
やっぱり実行委員の人みんながあまり話したことない人達だったら緊張しただろうけど、ななっぺがここにいるっていうだけで、その緊張は半減している。
私は資料を握り締めて、「とにかくジャンケンに勝たなきゃ」とひたすら思っていた。
「みんな忙しいと思うから、さっさと本題に行きましょう。まずは自由曲を決めます。じゃあ1組から、まずは第1希望の曲を言ってください」
「はい…」
ガタッと椅子の音をさせながら、1組の実行委員の子が席を立ち、曲名を言った。
そして、私、ななっぺ…と、5クラスの第1希望が発表されていく。
「1組は第1希望そのままでOKそうね。2組と5組、3組と4組はそれぞれかぶってるから、ジャンケンしてもらえるかな?」
ああ…、やっぱりジャンケンか。
とにかくここで勝つしかない。
そう考えると、すごくプレッシャーがかかる。
私のこの手に…、まさに全てがかかってるんだ。

