引っ込み思案な恋心。-2nd






映美佳の言葉にあゆは「うんうん」とうなずいて、私の前に差し出した資料を何枚かめくった。






「あとね、実行委員は前日の準備とか当日の進行補助とか、また細かく係を決めると思うから。クラスの合唱の練習にももちろん出ないといけないし、かなり忙しくなると思う」



「……分かった」






資料を見るだけでも、この仕事がかなりのプレッシャーがかかっていて、忙しくて大変なのが分かる気がする。






……やりたがる人がいなかったのも、何だかうなずける。






「でもさぁ、たぶんななっぺがまた実行委員だと思うから、実行委員の間の人間関係は心配しなくて大丈夫だと思うよ」



「あー、それだったら実行委員の仕事もななっぺに聞いたら色々教えてくれるよね」






…そっか。



去年もななっぺ、実行委員だったんだよね?





確かに、仕事の内容はななっぺに聞けば教えてくれるかも……!






すると、授業の終わりを告げるチャイムが教室に鳴り響いた。






それと同時に、一部の男子達が教室からゾロゾロと出て行った。






「ちょっと私…、ななっぺの所に行ってくる」



「おっ、早速行っちゃう?」



「柚、3組行くんだったら瀬川にも報告するんだよー」



「分かってるよー」






映美佳の心配顔が、最後まで消えなかったな。。。






でも映美佳より、もちろん当事者の私が一番自分で心配なんだけどね。






短い休み時間だから、早くななっぺに会おうと、私は早足で3組に向けて廊下を歩き始めた。