引っ込み思案な恋心。-2nd






あゆだって最後のリレー控えてるハズなのに…。






……あれ?



そう言えば、リレーは???





拓がここにいるってことは、まだやってないのかな?







そんなことをふと思った時、いきなり保健室のドアが開いた音がした。






「瀬川ー、どこにいる?」






その次に聞こえたのは、松沢さんの声。






「あっ、松沢だ。おーい、松沢。こっちだこっち」






拓はゆっくりと私の周りに引いてあったカーテンを開けて、松沢さんを呼んだ。






カーテンの隙間から私達の様子を見た松沢さんは、少し残念な顔をした。






「…なんだ、杉田さん起きてたんだ」



「今さっき目が覚めたんだよ。……それで?どーだった?」






何で松沢さんがここに来たんだろう?





拓に用事みたいだけど……






でも不意に昨日の松沢さんとの会話を思い出してしまって、私はとっさに視線をずらした。






「……負けたよ。2組が優勝。うちは3位だった」



「マジか……」






松沢さんの言葉を聞いて、拓も残念な顔をしたように見えた。






あれっ?


でも……





うちのクラスが優勝……って、もう体育祭、終わっちゃったの???