あゆだって最後のリレー控えてるハズなのに…。
……あれ?
そう言えば、リレーは???
拓がここにいるってことは、まだやってないのかな?
そんなことをふと思った時、いきなり保健室のドアが開いた音がした。
「瀬川ー、どこにいる?」
その次に聞こえたのは、松沢さんの声。
「あっ、松沢だ。おーい、松沢。こっちだこっち」
拓はゆっくりと私の周りに引いてあったカーテンを開けて、松沢さんを呼んだ。
カーテンの隙間から私達の様子を見た松沢さんは、少し残念な顔をした。
「…なんだ、杉田さん起きてたんだ」
「今さっき目が覚めたんだよ。……それで?どーだった?」
何で松沢さんがここに来たんだろう?
拓に用事みたいだけど……
でも不意に昨日の松沢さんとの会話を思い出してしまって、私はとっさに視線をずらした。
「……負けたよ。2組が優勝。うちは3位だった」
「マジか……」
松沢さんの言葉を聞いて、拓も残念な顔をしたように見えた。
あれっ?
でも……
うちのクラスが優勝……って、もう体育祭、終わっちゃったの???

