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「……………?」
「……あっ、柚!やっと目ぇ覚めた!!」
「え?拓……?」
目が覚めた途端、グラウンドの熱風よりも遥かに温度が低い、涼しくて爽やかな空気が頬をなでた。
あれ?
私、寝てる…?
しかも、目の前には拓がいる…?
「馬場達から『柚が倒れた』って聞いて、俺ずっと柚の側にいて……、気が気じゃなかったし。大丈夫か?」
「うん…、ありがとう。でも戻らなきゃ…」
「いや、柚の出番の綱引きはもう終わったと思うけど……」
「うそ!?」
そんなに長い間横になってた感覚がなかったから、てっきりまだ昼休みなんだと思ってたけど……
今、一体何時!?
「保健のセンセーは熱中症じゃねえかって言ってたんだけど…、あんまり無理しない方がいいから、このまま保健室で横になってろよ」
拓に言われて、今私が寝ている場所が保健室のベッドであることを知った。
…私、あんまり保健室にお世話になったことがないから、ココがどこなのかすらピンとこなかったよ。。。
「どうしよう…。綱引き出れなかったから一人欠けちゃったし、クラスのみんなにも迷惑かけたかも……」
「ああ、大丈夫。柚の代わりに多田が選手として出て行ったらしーから。アイツ女子のクセにバカみたいに力あるから、安心だろ?」
「あゆが……?」

