「うん。だから倉本が柚のコト好きだったって話を聞いた時、『何で柚なの?』じゃなくて、『やっぱ私のコト見えてなかったか〜』って感じに思ったよ。柚には何の責任もないんだからさ、あんまり気にしないで?私はまだまだ頑張るから」
「うん…、頑張ってね。応援するよ」
…ホントは夏休み中にあかねちゃんに、倉本くんから告白されて、アプローチを受けているという話をちゃんとしておけば良かったのかな…、なんて少し後悔していた。
それを言ったところで、もしかしたらあかねちゃんと気まずくなっていたのかもしれない。
でも今の話を聞いて、もしあかねちゃんにそのことを言っても、あかねちゃんはあっけらかんと『えー?私、倉本のコト好きなんだけど』とか普通に答えたんだろうな…と、何となく想像した。
私の励ましに嬉しそうな笑顔を見せてくれたあかねちゃんは、今度は私に聞いてきた。
「柚こそ。あれからどーなの?仲直りしたってコトは…、ちょっとは進展したわけ?」
「え?それって……」
「分かってるくせにぃ〜。迫られても平気になったの?後学のために聞かせてよ」
「いや…、その……」

