引っ込み思案な恋心。-2nd






「ねえ…、倉本くんとはどうなの?この前楽しそうに練習してるの見かけたから…」



「あー、見られちゃってた?何か恥ずかしーかも。まあ…、ボチボチってトコだね。あっちの気持ちも切り替えさせないといけないでしょ?」



「もしかして……、私とのこと……?」






夏休みが終わる間際、私はあかねちゃんから倉本くんへの気持ちを聞いた。





だけどそれから何となく…あかねちゃん本人にその後のことを聞けずにいた。






倉本くんは夏休みまでは私のことが好きだったわけだし…、そう考えると、気まずい思いの方が勝ってしまっていたから。






まともにあかねちゃんから詳しい気持ちを聞くのは、たぶん今日が初めてだと思う。






「そーだねぇ…、柚は強いトコあるからね、私が男だったとしても、きっと柚に惚れてるよ。そしたら瀬川と倉本と3人で対決してたかもね〜」



「ええー?」



「いやまあ冗談だけどさ。でも私が倉本への気持ちに気付いた時、倉本は絶対私の方を見てないとは思ってたから。『振り向かせてやる』って気持ちは最初から持ってたよ。今もだけどね〜」



「そっか…」






青い空に白い線を引くかのような、長い飛行機雲が見えた。






秋になろうとしている空は、少しずつ青が濃くなっているように感じる。