引っ込み思案な恋心。-2nd






「アイツの行動、分かりやす過ぎだよね〜。うちのクラスのテントでもバカみたいに大声で応援仕切ってるし。そのクセ柚の競技の時は2組のテントから大声聞こえてきたからさぁ、ななっぺも呆れてたなあ…」



「あははっ。それも想像できる〜」






あれ。



そう言えば今年はむかで競争の選手の中にななっぺがいなかったような気がするけど……





ななっぺの出ている競技って、何だっけ???








「そう言えば…、ななっぺって何の競技に出てるの?」



「あれ〜?柚、知らなかった???確か、午後からの綱引きと長縄だったと思うけど。両方とも団体競技だし、2組的には応援しづらいよね〜」



「綱引きに出るの?じゃあ、ななっぺと対決かぁ……」



「あ〜、映美佳も綱引きだっけ?2組対3組になったら、どっち応援しよ?でもやっぱ3組かな〜」






私とあかねちゃんの後ろでは、あゆと映美佳が話をしているようで、二人の楽しそうな笑い声がこっちまで聞こえてきた。






競技が行われていないグラウンドの中には、先生が2、3人だけ入って点検やラインの引き直しをしていたけど、グラウンドの外は生徒や保護者などですごく混雑していた。






その中でも一際混雑が激しいバザーの売り場の前を、人を縫うように通った。






…この並んでいる人混みのどこかに、拓がいるのかな……?