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「おーーい!みんな〜、お昼食べよーよー」
「あっ、あかねちゃん!」
ようやく午前中の競技が終わり、お昼のためにあゆと映美佳と3人でクラスのテントを出ようと思ったら、あかねちゃんとななっぺが出口付近で待っていた。
「あゆ〜、さっきは負けちゃったけど、来年は負けないからねぇー」
「あかねちゃんもなかなか速かったよ。こっちも油断しないように鍛えないとね。でもさぁ、午前終わったところでは3組の方が勝ってるよねー」
すでに自分の競技を全て終えてしまったあかねちゃんは、余裕の笑顔であゆに話し掛けている。
さっきの障害物競争も1位取ってたし…
さすが動くの大好きなあかねちゃんという感じ。
「倉本障害物でも3位だったよね。あんな中途半端なヤツ、何でいいわけ?」
「そこが倉本らしーじゃん♪」
「やっぱ意味分かんない……」
あゆが「聞くんじゃなかった」と言いながら頭に巻いていたハチマキを取って歩き出したら、今度はななっぺが声を上げた。
「あっ、安森先輩!」
「え?どこどこ???」
ななっぺの嬉しそうな声に、すぐさまみんな反応した。
私もななっぺの視線の先を追ってみると……
数メートル先に同じようにななっぺの姿に気が付いた、『安森』と書かれたゼッケンを付けた男の先輩がいた。
そして彼はすぐに私達に近付いてきた。

